「業種が変わっても、経験と知識が活かせるよろこび」

「業種が変わっても、経験と知識が活かせるよろこび」

『デイサービス笑福』スタッフの原口美穂さんは、以前は栄養士と調理師の資格を活かして、お菓子の製造・販売を手がける小売業を営んでいました。

「介護の仕事を知りたい」と思い立ち、まずは『国立人』から笑福のインターンシップ募集に応募し、2021年10月からインターンをはじめた原口さん。応募の動機は、2021年6月にお父様を亡くし、その前後でケアマネージャーをはじめ介護職の人々と接する機会があり、「介護の経験や知識は、大切な親を看取る上でも欠かせないものだ」と感じたことでした。

「未経験だったからこそ、週1回・全12回というペースで仕事を体験できる機会がとてもありがたくて、なかなか得難い経験をいくつもさせていただきながら、全12回を終える頃には『このままここに携わりたい』という気持ちが芽生えていました。その想いを代表の山本さんにお伝えしたところ、快く受け入れてくださって」

スタッフになりたいと思ったきっかけは、「『利用者さんがいつまでも綺麗で、ずっと笑顔で過ごせるデイサービス』という、利用者さんの心に着目した理念がしっかりと共有されていたこと、心優しい利用者さんたちの触れ合いに感動したこと、スタッフ間の情報共有がスムーズで、細かい指示にもわかりやすいペーパーが用意されていて、即戦力を目指しやすかったこと」だと、原口さんは振り返ります。

今の目標は、笑福の仕事と、自宅で25年間続けているお菓子教室を両立させながら、介護の資格を取ること。そして、「食」の経験や知識を活かして、「食べる」ことから利用者さんの「綺麗」と「笑顔」につなげていくことです。

「高齢になるにつれて、嚥下(えんげ)に支障が出たり、噛みきれなくなったりと、難しいことが増えていきますが、食べるって本当は楽しくてワクワクすることですよね。いい食事は、心と体の健康につながっていくと信じています」

利用者さんとお昼の時間を過ごしながら、食の進み具合からその日の体調や健康状態に気を配り、たくさん会話や運動をしておなかをすかせることで楽しい食事ができるように工夫をしたり、生活スタイルや栄養面の相談に乗ったり。そこには、栄養士や調理師として培ってきた経験が生きています。

「笑福は女性の利用者さんが多いのですが、楽しい食事の思い出は女性も男性もみんな持っています。好きな料理のこと、好きなお店のことをみんなで話すととても盛り上がるんです。認知症で忘れていたことも思い出したり、新しい料理を作ってみよう、食べてみようと思えたり。“食べる”はみんなの共通言語なんだと思います」

自分らしく働くとは、たくさんの知識や経験を全て自分の栄養にして働くことなのかもしれません。

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加藤 優 加藤 優

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