時代は60年周期で移り変わっていく2022年07月10日(日)

新しい価値観が生まれた時。それが目新しくて先鋭的であるほど、たくさんの人に受け入れられなかったり、それが従来の価値観から大きく外れていることなら拒否反応を示す人もいます。

けれども、新しい価値観は時代とともに受け入れられ、スタンダードになっていくことも多くあります。新しい価値観への反発の量が多いほど、それは優れたイノベーションになりうる、といった指標もあるようです。

「新しい価値観」が「あたりまえ」に変わるまでにかかる期間は、およそ60年。

世代交代などの観点から見ても腑に落ちるのですが、実は「干支」の観点からも、自然現象や政治経済などのあらゆるものごとについて、60年周期で捉えることができるそうです。

子・丑・寅・卯……の12年周期で知られる「十二支」はよく知られています。

そこに、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸からなる「十干(じっかん)」を組み合わせて60年周期と捉えることは、あまり知られていません。

例えば、2022年に生まれた人は「寅年」生まれですが、60年周期で捉えると「壬寅(みずのえとら)」生まれということになります。

60歳が「還暦」と言われ、長寿のお祝いをするのも、十二支と十干からなる60年周期に基づいているそうです。

2022年の60年前といえば、1962年。

東京都の人口が1000万人を突破し、世界初の1000万人都市になったのも1962年。日本のテレビ受信契約者が1000万人を突破したり、ジャニーズ事務所が創業したり、といった出来事もありました。

東京都の人口はコロナ禍を経ても変わらず増え続けていますが、テレビの普及、ジャニーズ事務所というワードからは、時代の変遷や、世代交代の様相も感じられます。

今起こっていることは、過去60年間の積み重ねの集大成とも言えるのかもしれません。

そして、今は60年後のスタート地点でもあります。今、目の前に、新しい価値あるものが見えているなら、どんどん発信して、実践していけるといいと思います。

それが、後世に続く誰かの人生の選択肢になったり、地域で一歩を踏み出すきっかけになったりして、60年後のスタンダードを作っていきます。

「まち」は個人が一歩を踏み出すのに最適な単位だと考えています。少なくとも今、国立のまちで出会い、定期的に顔を合わせている人たちの新しい動きは、未来に期待できるものばかりです。

60年後の「まち」はどうなっているでしょう。個人的には、引き続き少子高齢化問題などが叫ばれるような未来になっていなければいいなと思います。

(編集・ライター 加藤優)