谷保天満宮では年に一度、『谷保天満宮旧車祭』が開催されます。
「戦前モデルから昭和のクラシックカー&スーパーカーまで、世界の歴代名車・旧車が190台大集合!」とフライヤーに記載されている通り、谷保天満宮の参道や境内、一部は谷保駅界隈の駐車場に、ずらりと「旧車」と呼ばれるクラシックな自動車が並びます。(主催は『オートモビル・クラブ・ジャパン[ACJ]』)
明治41年8月1日、皇族の有栖川宮威仁親王(ありすがわのみや・たけひとしんのう)による、日本初のドライブツアー(遠乗会)が行われました。その目的地が『谷保天満宮』だったそうで、「学業」だけでなく「交通安全」の祈願もできるのは、この歴史があるからだそう。
遠乗り会で谷保天満宮にやってきたのが、通称『タクリー号』と呼ばれる青い車。車のメーカーも自動車免許証もない時代に作られた、日本初のガソリン自動車です。
旧車祭で全国から谷保天満宮に集った旧車たちは、午後になると谷保天満宮を出発して大学通りや国立市内をパレードします。このとき、先頭を切って走るのが、2012年に作られた『タクリー号』のレプリカです。
ところで『タクリー号』とは、「ガタクリ、ガタクリと走る」様子から当時の人たちに付けられた愛称とのこと。レプリカ版『タクリー号』は、レトロ感のある姿はそのままに、現代版のエンジンを搭載してスムーズに走り抜けていきます。
紅葉で彩られた大学通りをクラシックカーが連なり走る風景は、車が好きな人もそうでない人もつい足を止めて眺めてしまう、秋の国立の風物詩になっています。
国立人編集部