アフターサバーブ

アフターサバーブ

東京都心から約30kmの「郊外(suburb)」に位置するまち、国立。

約2000戸数を有する、築60年の『富士見台団地』を中心に据えた住宅街として、これまで発展してきました。

そんな富士見台で2022年に生まれた、新しいまちづくり講座『クラブサバーブ』。20〜30代を中心にこれまで約100人が参加し、その後も地域で新しいイベントを立ち上げたり、お店や教室を始める人も増えています。

クラブサバーブは、約半年をかけてアイデアを持ち寄り、チームで一つの企画を作り上げる連続講座。その発表の場として、年一回の『ヤミイチ』を開催してきました。しかし、まだ行ったことがない、知らなかったという人も多いはず。

改めて、クラブサバーブとは何なのか。一体なぜ立ち上がったのか。そこでどんなことが起こっているのか。その様子をひもときます!

もくじ

クラブサバーブはなぜ生まれた?

1965年に竣工してから半世紀以上が経った富士見台団地。2022年、団地を運営するURと国立市は「これからの富士見台地域のまちづくり」を協働で進めるための協定を結びます。市は「国立市富士見台地域重点まちづくり構想」を掲げ、まちづくりのアイデアを出し合う「富士見台ミーティング」などが行われました。

しかし、20〜30代の参加が極端に少ない……。国立市役所の職員、三澤英和さんと布施裕二さんは、「若者世代がもっと参加に意義を感じる、彼らが主体的・能動的に動ける場や企画が必要だ」と考えました。

そこで、市内のコミュニティスペース『国立本店』代表の加藤健介氏、シェアする商店『富士見台トンネル』代表の能作淳平氏、若者が集まるスナック『スナック水中』代表の坂根千里氏が集まり、意見交換を重ねるなかで、新しいまちづくり連続講座『クラブサバーブ』が立ち上がったのです。

郊外でまちに関わる入口づくり

20〜30代の多くが、日中は仕事や家事、子育てなどで忙しい日々を過ごしています。国立市外や都心ではたらき、暮らすまちは通勤や帰宅で通り過ぎるだけの場になっている人も多いのが現状です。

だからこそ、まずは「暮らしている地域に関わる入口」となる場や企画が必要でした。そこに参加する人それぞれが、「やりたいこと」を実現できる環境であることも重要です。地域で多様な動きが生まれれば、それはまちづくりにもつながっていきます。

目的を「地域課題の解決」ではなく「やりたいことの実現」に据えたのは、20〜30代の若者層にとって、都市計画のようなトップダウン型の課題に取り組むよりも、個人が自由で主体的に行動できるつながりやきっかけが必要だと考えたためです。

行政に相談するほどではない困りごとがあったり、自身で取り組みたいことがあるけれど、機会や人脈がない……。そんな人にこそ手を挙げてもらいたい。そのために、あえて「まちづくり」とは表現せず、「郊外(suburb)で集まるクラブサバーブ(clubsuburb)」と名付け、チラシやSNS、口コミなどで募集告知を行いました。

クラブサバーブには毎年およそ30名の参加者が集まり、すでに地域で活動しているメンターや、同じ受講生との出会いを通じて活発な意見交換が行われました。

3年で20以上のプロジェクトが生まれ、中には修了後もずっと続いているものもあります。

2023年に矢川駅前に誕生した『矢川プラス』では、受講生たちにとって発表の場となる一日限りのイベント『ヤミイチ』も開催。これまでに見たことのない、多彩なアイデアあふれるワークショップやマルシェの屋台が並び、子どもたちや近所の人々も集まり、大いに盛り上がりました。

これからのクラブサバーブ

クラブサバーブがはじまってから3年。

これまでに参加した約100人の修了生は、どのようにして過ごしているのでしょうか。

クラブサバーブ1期生の長通(ながどおり)さんは、「クラブサバーブは今の自分の活動につながっている」と話します。

「クラブサバーブでは『さくら通りをCHILLリビングへ』というタイトルで、公共空間をリビングのように使う構想をプレゼンしました。その一年後、たまたま旧国立駅舎でまちの方々とイベントを企画し、結果として、まちのリビング化に似たイベントを開催することができました。当時考えていた景色を現実に見ることができたような気がして、嬉しく思いました」

クラブサバーブ2期生の石井さんは、「初めての子育てに奮闘しながら、自分自身のこれからについて立ち止まっていた時期にクラブサバーブに参加しました」と話します。

「クラブサバーブでは、親子で参加できる『お米パン教室』に挑戦しました。子連れでも安心して来られるように工夫しながら、勇気を出して一歩踏み出しました。『すごく楽しかった!』と笑顔で言ってくれた親子の姿に、私の方が元気をもらえていました。その時広がったつながりからパン教室もはじめることができ、Instagram『笑顔になるお米パンレシピ』も、いろんな人に見てもらえるようになりました」

クラブサバーブの修了生は、公園などの公共空間を使って新たなイベントを企画した人、地域で起業した人、地域でZINEを作った人、商工会青年部に入った人など、さまざまです。

それでも共通しているのは、身近なまちで「一歩を踏み出すことができた」「新しいつながりを作ることができた」という点。

チャレンジを通じて失敗したり迷ったりしてもいい。そんな時にはさまざまな角度から支えてくれる地域のメンターや、100人のクラブサバーブ同窓生、国立市役所の職員もいます。

これまでの連続講座という形から、クラブサバーブは少し変化を遂げます。その様子も引き続きお届けしていきます!

活動情報

担当
国立駅周辺整備課富士見台地域まちづくり担当
Instagram
https://www.instagram.com/clubsuburb/
問い合わせ
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/cgi-bin/inquiry.php/77?page_no=4309

〒186-8501 東京都国立市富士見台2丁目47−1

加藤 優 加藤 優

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