身体を通して心を学ぶ

仕事やプライベートを充実させていきたいときに、欠かせないものとは？
時間、お金、いろいろありますが、土台になるのは心身の健康。忙しく過ごす日々、人とのつながりの中で、自分自身の心と身体を良い状態に保つことは大切です。

多くの方は、焦ったり落ち込んだりすると視野が狭くなり、落ち着いてリラックスしていると、自分や相手の状態がよく分かるという経験があるのではないでしょうか。自分や周りのことが見えていると、調子が落ち込みそうな時に気持ちを切り替えたり、課題に対していろんな選択肢を考えられたり、相手とより良いコミュニケーションを取ることにもプラスに働きます。

そんな日常にも役立つ、心と身体の使い方を身につけられるのが『心身統一合氣道』とのこと。稽古に参加してみたら、これからの人生に活かせる技を学ぶことができました。

合氣道に出会ったきっかけ

2023年、国立駅前でスタートした『心身統一合氣道会　国立教室』。

先生の山口美智瑠さんは、元新聞記者。合氣道を始めたのは、大学で心身統一合氣道の部活に入部したことがきっかけでした。

「大学に通うまで合氣道は見たこともありませんでしたが、部活の雰囲気がよく、始めてみたらすごくハマって、社会人になっても続けて10年ほど経ちます」

山口さんは武道についての本を読んで、合氣道は「頭で考えるだけでなく、身体を通じて心のことを学べる」というイメージを持ち、興味がわいたそうです。

「初めて稽古した時の、“心を積極的に使う”とこんなに強い力が出るんだ！　という第一印象は今でも強く残っています」

山口さんにとって“心を積極的に使う”とは、「できない」「苦手だ」と思ってイヤイヤ物事に取り組む時は疲れやすかったり、進まなかったりする一方で、「できる」「好きだな」と思って楽しんで何かやっている時は、発想も生まれて、成果が出やすいのとどこか同じ感覚だそうです。

心身統一合氣道は、1974年に合氣道十段の藤平光一先生によって創始された武道です。自分を律し、相手の心を理解して、導き投げることを通して、「人間が本来持っている能力を最大限に発揮すること」や、「相手の心を尊重して導くこと」を学びます。

「たとえば、心の面からはリラックスして、身体の面からは姿勢を整えるというように、心と身体を一つにしてプラスの方向に使うと、人間が本来持つ力が発揮できます。“氣を出す”と聞くと、映画やドラマに出てくる達人が使う特別な力みたいなイメージが浮かびますが、心身統一合氣道では“元気を出す”とか“やる気を出す”といった身近な氣のことを指します。だから、誰にでも実感できるんです」

人と学び合う力

山口さんが大学卒業後、北海道で記者の仕事をしながら、現地の心身統一合氣道の教室に通い続けたのは、「稽古をしていると元気が出る」から。

「相手と磨きあえるのが、合氣道の良さだと思います。心や姿勢の状態って、人のことには気づけても、自分のことには気づけないことも多いですよね。稽古では相手と一緒に組んで、今の自分の姿勢や心の状態をチェックすることができます。稽古を繰り返しているうちに、緊張したり力んだりしてしまいがちな大事な場面でも、落ち着いて本来の力を発揮できるようになります。私も日常生活で稽古していてよかった、と思う瞬間は多々ありますね」

ひとりで自分と向き合うのではなく、人と人との交流の中で、人間本来の力を発揮する方法を学ぶのが、心身統一合氣道。

新型コロナウイルスの流行初期、道場での稽古が中止になった間に、改めてやりたいことを考えた山口さん。国立で教室を開こうという気持ちを後押ししたのは、記者としての取材先で出会った、様々な生き方をする人たちだったそうです。

「自分の好きなことやできることを活かして、周りの人を幸せにするという生き方をしている方たちとの出会いがなければ、心身統一合氣道の教室を開こうとは思わなかったと思います」

さらに、コロナ禍で外出や人との交流が少なくなったことで、直接会って稽古できる場所の有り難さを痛感したといいます。

「元気な人達が集まる場所にいくと、元気になる。お互いに合氣道を学び合い、磨きをかける。それはオンラインよりも対面で実感できることだと思います。この国立教室も、行けば何かためになることがある、元気が出る場所にしたいです」

体験したら実感できる

『心身統一合氣道　国立教室』のクラスは2つ。小さなお子さんが親御さんとも参加できる、5歳から小中学生向けの「子どもクラス」と、それ以上の人向けの「大人クラス」があり、まずは気軽に無料体験や見学をしてみて、続けたいと思ったら入会できます。

心身統一合氣道は無理のない動きから成り立っているので、子どもも大人も年配の方も、一緒に稽古ができます。

はじめるきっかけは「相手とぶつからずに導く合氣道に興味を持った」「護身術を身に付けたいから」など、人それぞれ。子どもたちは「投げたりころがったりが楽しいから」という理由が多いよう。

最初の稽古では、人間が本来持つ力を発揮できる“姿勢”から学びます。姿勢や視点を少し変えるだけで、全身が安定して心も安定するという、なんとも不思議な体験ができます。

だらっとした格好だと肩を押されるだけでよろけてしまい、逆に力んでいてもよろけてしまうのですが、“姿勢を整える”とどこから押されても少しのことでは動じない身体になります。

また、心を何となく使うのと、はっきりと目的を思い描いて使うのでは、発揮できる力に大きな違いがあることも体感できます。
これは見学しているだけではわからない、参加してみることで初めて実感できる、心身統一合氣道ならではの稽古です。

心と身体の使い方を磨いて、目標に向かい人間本来の力を出すことができる、心身統一合氣道。一度、体感してみませんか？