「日々、少しずつ成長が見える」「忙しかったり体調が悪かったりすると、元気がない」
「たまに部屋の外に出して、風や光に当てるとピンとする」
そんな、グリーン(観葉植物)のある暮らし。
いつも物言わず自分を見守るグリーンは、今の自分の心や体の状態を表すバロメーターのようです。
まるで公園のような国立のメインストリート『大学通り』で、ひときわ目を引くカフェや雑貨の複合施設『GEORGE’S(ジョージズ)』。
2021年10月15日、その店内に、ライフスタイルに寄り添うグリーンをセレクトする『KUNITACHI GREEN』が立ち上がりました。
「コロナ禍を経て、おうち時間や、まちで過ごす時間により一層目を向ける人が増えました。私自身もその一人で、まずは室内で育てやすい小さなグリーンを部屋に置いてみたんです。それ以来、植物の魅力にどんどん惹かれていきました」
そう話すのは、『KUNITACHI GREEN』の大倉理沙さん。
「部屋にグリーンが一つあるだけで、空気がガラッと変わるんです。週に一度、水をあげて風通しをよくすれば元気になって、小さな芽が出ると嬉しくなってずっと眺めてしまう。グリーンと暮らすようになってから、自分の気持ちが澄んでいくような気がしました」
大倉さんにとって、グリーンはまるで「同居人」のような感覚なのだそう。
大正時代の学園都市構想から始まった国立は、大きな庭のあるお宅が多く、お花屋さんも多いまち。現在はマンションやアパート、小さな区画の建物も増え、ベランダや室内でグリーンを楽しむ人が増えたものの、室内用のグリーンや鉢などのツールを扱うお店はほとんどありませんでした。
「国立でずっと愛されるお店にしたいという想いから、『KUNITACHI GREEN』と名付けました。このまちの皆さんと一緒に、お部屋の中の観葉植物のように、まちに馴染むお店に育てていきたいと思っています」
そんな大倉さんがグリーンとの「同居」をはじめたのは、2021年春先のこと。その数か月後の2021年7月に、『KUNITACHI GREEN』立ち上げに携わります。
グリーンを中心に、暮らしだけでなく、仕事もまた大きな転換期を迎えることとなったのです。
『GEORGE’S』は、1989年に京都で発祥した個人のインテリアショップが原点。今では全国に19店舗を持ちますが、大切にしているのは「そのまちに愛される個人店」であり続けることです。
「大学通り沿いの『GEORGE’S 国立店』は、目的がなくてもふらっと入りやすくて、顔見知りのスタッフと会話を楽しむなど、自由な過ごし方をされる方が多いです。それも20年以上ここに根ざして、お客さんとの対話の中で育まれてきた雰囲気なのだと思います」
ただモノを売るだけではない、人を感じられる店づくり。中学生の頃に『GEORGE’S』に出会った大倉さんは、何度も足を運ぶうちにそのあたたかみを感じとり、いつしかお店のファンになっていました。
「社会に出て、最初は事務の仕事をしていましたが、『もっと自由に動きたい』『もっと人と話したい』という気持ちが強くなり、もともと好きなお店だった『GEORGE’S』で働いてみよう、と思い立ちました」
お客さんだった頃に感じていた、スタッフとの「ちょうどいい」距離感。何かを聞けばその人らしい自然体な答えが返ってきて、顔見知りになれば「こんにちは」と気持ちのいい挨拶が交わせる。置いてあるモノ一つをとっても、スタッフのこだわりやバックグランドが見える。
「『好き』を『仕事』にすることは、あまり周りにそういう人がいなかったので、最初は抵抗感もありました。でも、私はもともと負けず嫌いで、『好き』だけで満足するのではなく『もっと向上したい』という気持ちが強かったのかもしれません。どうしたらもっと売上が上がる売り場が作れるのか考える、自分がやると決めたことはやりきる。そういうことを繰り返していきました」
実際にステップアップのチャンスも多く、アルバイトからスタートした大倉さんは、2年後に社員に、その2年後に『GEORGE’S ららぽーと立川立飛店』の店長になり、その2年後の2021年に『KUNITACHI GREEN』立ち上げの話が舞い込んできました。
「『KUNITACHI GREEN』の立ち上げは、店長である私にとっても、そこに関わるスタッフにとっても全くの新しい挑戦でした。私はこれまで植物に携わった時間は短く、経験も浅いと思います。でも、植物と暮らす中で生まれた興味関心は広がっていて、もっと植物に深く携わりたいと思っていたので、不安よりも率直にワクワクして。『やってみよう!』と思いました」
大倉さんは、植物について自分で調べるだけでなく、お客さんとの会話の中で学んだり、お互いに知識を深め合ったりすることも多いそうです。
『KUNITACHI GREEN』のグリーンは、『GEORGE’S 国立店』が長年推し続けている『カリモク』の家具とも調和します。
「インテリアとの親和性も、さらに深めていけたら」と大倉さん。
「デートやお散歩に。私やスタッフと話をしに。お家で育てているグリーンの相談に。何を買うわけではなくても気軽に立ち寄れる。私が最初に『GEORGE’S』で感じた“人を感じられる”お店を、『KUNITACHI GREEN』でも目指していきたいと思います」
公園のような大学通りを散歩したら、まずは小さなグリーンを一つ選んでみる。そんなきっかけからはじまる「グリーンとの暮らし」を、思い描いてみませんか。
東京都国立市中1-17-2