“ローカルNPO”とは?

“ローカルNPO”とは?

NPOとは「Non-Profit Organization」の略で、日本語では「非営利団体」を意味します。

ということはなんとなく知っているけれど、NPOってどんなことをしているのだろう。一般企業や、任意団体、サークル団体などとはどう違うの?

NPOの中でも『ローカルNPO』って何だろう? 『一般社団法人眞山舎(さなやまや)』代表の土屋一登さんに、その問いに答えていただきました。

NPOだけでなく、個人、合同会社、あるいは株式会社も“ローカルNPO”のように活動できる

「NPOとは」という問いに対して、普遍的な答えを提唱するということはしません。多くの実践者や研究者たちがこういった問いに向き合ってきているし、それをぼくが「これがNPOだ」なんて言えないからです。

とはいえ、ぼくはこれまで個人の自由と幸せに向き合いながらNPO・市民活動にかかわってきました。より具体的に表現すると、双極性障害の当事者・生きづらさの当事者としてぼくが思うのは、“ローカルNPO”は生きづらさを解消する手段となり得るということ。

そんな市民社会ど真ん中で活動してきたぼくが、自分の目で見て、感じて、考えて、言葉にする、現時点での“記録”として、「“ローカルNPO”とはなにか」という問いに答えてみたいと思います。

まずはじめに、“ローカルNPO”とは何かを記すまえに、「市民活動とは」という問いに答える必要があります。市民活動っていうのはシンプルで、お互いが自由な存在だと認め合える社会(自由の相互承認を前提とする市民社会)における「市民の自由で自律的な活動」。それ以上でもそれ以下でもなく、良い悪いではないです。

その中でも、「公益性」と「非営利性」があって、だれか一人でもその団体の活動に本業としてかかわることも可能な「経済活動」の主体がNPOだと考えています。なお、ここでいう「公益」というのは、行政による公益もありますが、どちらかと言えば「市民公益」というニュアンスを込めてます。

そして、NPOでも「特定の地域をドメインとして活動しているNPO」を、ぼくは“ローカルNPO”と呼んでいます。

ただ、具体的な法人格を指して「これがNPO」というのは、じつは難しいのです。なぜなら、「NPO法人」であってもその実態が必ずしも“NPO的”でないこともあるし(例えば代表の一存ですべてが決まってしまう、市民の協力・参加の機会が極めて低いなど)、逆に個人、合同会社、あるいは株式会社であっても“NPO的”になり得るからです(営利を目的としながら生み出した利益を非営利性や公益性が高い不採算事業に投入するなど)。

また、一般社団法人は非営利法人ですし、「非営利徹底型一般社団法人」と呼ばれるものもあります。でも、だからといって、特定の一般社団法人が公益性の高い活動をしているかどうかはちゃんと調べないとわからないです。

とはいいつつも、特定の法人格の前提となる法律には、それぞれ意図や目的があります。そのような意味で「NPO法人」がNPO/ローカルNPOを営むことに適していたり、「非営利徹底型一般社団法人」としてNPO/ローカルNPOの運営がしやすいとも言えるわけです。なので、“ローカルNPO”は概念だと思った方がよいかもしれません。

参考:『背景からよくわかる!NPOを理解するためのテキスト』(眞山舎)
執筆者:土屋 一登(一般社団法人眞山舎 代表理事)

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