大学通りのジョージズ

国立駅南口から伸びるメインストリート大学通りは、四季折々の自然豊かな公園のような通りです。

通勤や通学だけでなく、散歩や観光を楽しむ人も多い大学通り。その中に溶け込むように、『GEORGE’S 国立店』は佇んでいます。

京都で生まれ、縁あって国立にお店を構えて20年以上。暮らしを楽しむ国立の人々に寄り添いながら、国立らしいライフスタイルの魅力を伝えています。

仲間たちと同じ目線ではたらく

『GEORGE’S』は2023年現在、全国に16店舗を構えています。その中でも国立店は、設立当初から特別な存在なのだそう。

大学通りに面したエントランスから中へ入ると、デザイン性と機能性、どちらも重視された季節のライフスタイル雑貨や食品が並びます。散歩の延長のようにふらっと入ってくるお客さんが後を絶ちません。

「こんにちはー！」と気さくに出迎えてくれたのは、国立店店長兼エリアマネージャーの飯塚麻由実（いいづか・まゆみ）さん。国立店をはじめとするGEORGE’Sの店舗のマネジメントを行いながら、週に1回ほど国立店の店頭にも立ち、地域のお祭りへの参加や企画立案、国立店らしい商品セレクトを、本社のMD（マーチャンダイザー）を巻き込んで一緒に考えることもあるそうです。

「GEORGE’Sはまちの個人店のように、その店にしかないスタッフの個性やお店ごとのカラーを大切にしてきました。とはいえ、時代の移り変わりとともに、人も変われば価値観も変わります。その中でコロナ禍を経て、改めて大切にしたいと思ったのは、“人感”を感じられる店づくりだったんです」

全ての小売店が厳しい局面を迎えていたコロナ禍。エリアマネージャーとして複数のお店を見ている中で、大きく売り上げを伸ばした店舗がありました。

そこは店舗の中でもっとも小さく、スタッフ2人で運営しているお店でした。しかし店内に目が行き届くサイズ感が功を奏して、お客さんとのマンツーマンの接客ができたそうです。お客さん、スタッフ双方の顔がよく見えて、小さなことでもやりとりができ、顔見知りになって何度も会いに来る。時代はセルフサービスに移りつつありますが、人と人との関係性を改めて実感させられる出来事でした。

「欲しいものがあればネットで買える時代、そこに行かなければ会うことができない、どんな時でもあたたかく迎えてくれる人の存在は価値あるものです。『お客さんのために、私たちは何ができるだろう？』という同じ目線をスタッフみんなで持ち続けていきたい。その繰り返しが自分たちの価値であったり、GEORGE’Sブランドを形作っていくと思っています」

人とまちと成長するお店

飯塚さんは2008年、アルバイトスタッフとしてGEORGE’Sで働きはじめました。もともとはリフォーム会社で事務をしていましたが、じっとしていることができない性分で、学生時代の接客経験と雑貨が好きだったことから、軽い気持ちで転職を決めたそうです。

お店では人に恵まれ、憧れの存在でもあった店長の姿を見ながら「自分でもチームを持ってみたい」と思うように。目標に向かって周囲に背中を押してもらうような形で社員になり、店長やVMD（ビジュアルマーチャンダイザー）を経験します。

一店舗のスタッフから、店長、エリアマネージャーを経験することで、視野を広げていきました。その上で、最も大切なのは「目の前のお客さんと話をする時間」だと改めて感じているそうです。

「雑貨は商品数も多いですし、品出しや検品など意外と忙しいのですが、お客さんと話す時間や、ふらっと来られた方をあたたかく迎える声かけをすることは大事にしています。国立のお客さんは特に“店員”と”お客さん”という壁を作らない方が多くて、すごく交流が深まりやすいですね。名前で呼びあったり、購入された家具をご自宅まで運んだことをきっかけに仲良くなる方もいます」

副店長の相澤北斗（あいざわ・ほくと）さんの得意分野は、家具。GEORGE’Sではカリモクの家具を豊富に揃えていますが、特に国立店ではヴィンテージ家具や、家具に合うグリーンが豊富です。

国立店で力を入れているグリーンを主に担当しているのは、澤田尚乃（さわだ・よしの）さん。前職ではアパレルの接客の仕事をしていましたが、商品知識や仕入れの知識を増やしてキャリアの幅を広げたいと思ったことをきっかけに、GEORGE’Sで働きはじめました。

「初めて植物と暮らす人もいれば、お家で可愛がっている植物がたくさんある方まで、いろんな方とお話しします。植物と暮らす方は、家族やペットのように植物に愛情を向けている方が多いですね。お店にある植物だけでなく、お客さんを通して知る知識の量も多くて、毎日インプットとアウトプットを重ねています」

葉の形や色味を変え、枝を伸ばし、ゆっくり姿を変えて成長していく植物たち。大学通りに植わる一本の木のように、GEORGE’S国立店は国立で暮らす人々を包み込みながら、時代に合わせてゆるやかに成長していきます。