国立ー北海道移住1年目の往復書簡[コラム]

国立ー北海道移住1年目の往復書簡[コラム]

富士見通りの『みんなのコンビニ』の元スタッフで、2024年春に北海道へ移住した池田さんと、国立人編集部との往復書簡をコラムにしました。

たとえば国立で桜が咲く頃、北海道ではどんな風景が見られるのだろう。
国立と北海道の風景や出来事を対比させることで、普段は何気なく通り過ぎてしまうものごとに、新しい意味を見出していけたらと思います。

国立から送ったLETTER

池田さんへ

お久しぶりです。
北海道へ移住してしまった池田さんとこのような形で手紙のやりとりができることを嬉しく思います。

私は生まれも育ちもずっと国立なので、他の地域で四季を感じたり環境の変化に遭遇することがあまりないのです……。
そんな時に、池田さんが思いきって東京から北海道に移住することを聞き、すごいな……と思ったのと同時に東京から離れた北海道に実際に住んでみたらどうなんだろう? とすごく興味を持ちました。

池田さんが北海道に移住して1ヶ月ほど経ちましたが、そちらでの生活はどうですか?

こちらは、少し前まで“さくら通り”や“大学通り”などの桜並木が綺麗に咲いていました。

桜が満開の時期は、カメラを持って桜を撮影しに来ている人や、ビールを片手にお花見をしている人など、国立に住んでいる人・市外から来ている人でとても賑わっていました。

そんな国立も、5月後半の今では半袖で外を歩けるほど気温が上がり、桜もすっかり全部散ってしまい、駅まで伸びる道も緑一色になっています。

最近では、駅まで続く大学通りをゆっくり散歩する人や、ベンチに座って読書をしたりおしゃべりをする人などが、日に日に増えていっているような気がしています。

大学通りは木陰になっているので、少し歩きたいなと思った日の散歩コースにぴったりだなと、散歩をしている人の姿を見て思いました。運動不足の私も、今年は沢山歩いてみよう! と決心しました。

国立は、東京の中では自然も少なくない地域だと感じているのですが、北海道は大自然というイメージがあったり、人の多さや過ごし方など、きっと異なることが多いですよね。
最近の北海道はどんな感じですか?

国立人編集部 中村より

北海道から届いたLETTER

中村さんへ

お久しぶりです!
北海道で生活を始めて2ヶ月以上が経ち、とても東京が恋しくなっている今日この頃なので、こうやって文通ができること、私もとても嬉しく思っています。

国立での暮らしが中村さんの手紙から鮮明に浮かび上がってくるようで、東京に帰る時には絶対寄ろう! とも考えてしまいました。

「春」といえば、3〜4月に桜が開花してうららかな光景が広がっていると思うのですが、北海道はまだ肌寒い毎日で、5月の初めにやっと桜がちらほら。春も一瞬で過ぎ去り、最近は夏に向かい始めているような青々とした緑が辺り一面に見られます。

SNSのタイムライン上でしかタイムリーな春を感じられないのは初めてで、なんだか少し寂しかったり……。

離れて感じるのは、東京は歩く楽しさがあること、そして手がとどく範囲に自然があることです。

北海道は自然の中で生活している分、日常の中で自然を楽しむことは少ない気がしますし、広大なので歩いて巡るような時間も減っています。ザ・車社会です(笑)

自分の体を使って自然を楽しむことができるのは、意外にも東京の方なのかもしれませんね……!

ただ、東京への恋しさを抱くと同時に、北海道の素敵な部分も日々感じていて。

農家さんが代表的ですが、食材をただ消費をするだけで受け身だった生活が、食の根底を支えている人たちの顔が見える生活に変わったのは、とても良かったなと思っています。

自分たちの“生きる”を支えているお仕事が身近にあるって素敵ですよね。

東京はこれから梅雨に入っていく感じでしょうか? 雨の日の過ごし方もこちらと異なりそう……!
どんな過ごし方をされているのか、また教えてくださいね。

池田より

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「国立暮らし1年目」とは

外から見たときと、内側から見たときのイメージは少し違います。そんな『国立暮らし1年目』だからこそ見えてくるものを綴るコラムです。

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