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おいしい暮らしの作り方

土屋パン教室

国立のまちは、よく「パン屋さんの多いまち」と言われます。

東京の西側に広がる多摩エリアの中でも、個性豊かなおしゃれなパン屋さんの先駆け的なまちでもあったようです。

そんな、国立駅前の住宅街に、焼きたてのパンが香る一軒のお家を見つけました。エントランスで私たちを出迎えてくれるのは、BONZE工房(ボンズこうぼう)・赤川政由さん作、山型食パンを抱える可愛らしいブロンズ像。

土屋パン教室

天然杉がほんのり香るあたたかな家の2階では、土屋侑希さんによる『土屋パン教室』が開かれています。この日テーブルに並んでいたのは、手ごねのパンと、素材の風味豊かなイタリアン、生徒さん一人ひとりへのおみやげのシュトーレンと小さなシクラメン。

土屋パン教室で作るものは、手ごねパンをはじめ、シンプルな食材のみで作るイタリアンや、ひよこ豆のお味噌など、季節によってさまざまです。

土屋パン教室

ここは、ただ作り方を学ぶだけの料理教室とは少し違います。

「伝えたいのは、“手間ひまのかけ方”です。贅沢するのではなく、節約するのとも違う。たとえば、美味しいフォカッチャはボウル1個で作れるし、美味しいイタリアンは食材とオリーブオイルと塩で作れる。1回分の豚汁の材料があれば、実は1週間分のスープが作れます。そんなことを伝えたいんです」

本格的な料理を、簡単に作る……言葉ではよく耳にしますが、そのための手間ひまのかけ方なんてあるのでしょうか? そう尋ねると、「その場で見て、五感で感じてもらうことが大切かもしれません」とはにかむ土屋さん。

確かに、料理の本やウェブサイトを見ながらその通りに作っても何かが違う。けれども、料理上手な人に直接聞いてみると、「実はそんなコツがあったのか」と目から鱗が落ちることがありますよね。

土屋パン教室

「“食”ってなんだか面倒」から、「料理っておもしろい」「食べることは楽しい」気持ちに自然となってしまう。そんな土屋パン教室の様子を覗いてみませんか?

目次
自分も、家族も、友達もうれしいパン教室
豊かな食卓の作り方
五感を使って本物を味わう

自分も、家族も、友達もうれしいパン教室

「私がパン作りを学び始めたのは、今から30年以上前。当時3歳だった娘を連れて、エレベーターに乗ったりすると嫌な顔をされることが多くて、でも私も外に出かけて何かがしたくて。そんなとき、電車で一本の距離に、子ども連れで通えるパン教室を見つけたんです」

そう話す土屋さん。そのときの気持ちは、「小さな子どもと一緒に通いやすい教室にしたい」という思いにも繋がっています。広々とした教室にはキッズスペースがあり、お母さんやお父さんが教室に参加している間、子どもは走ったり寝転がったりして自由に遊んでいます。

土屋パン教室

ホームメイドクッキングの講師資格をとってパン教室を開くようになってから、「土屋さんのパン」の評判は口コミや持ち寄り食事会などで少しずつ広がっていきました。

土屋さんのパンは、なんだか食べはじめると止まらない味で、ファンになってしまう人が多いのです。

土屋パン教室

「ここに通うと、毎回たくさんのパンをおみやげに持たせてくれるんです。一人暮らしのキッチンでは作れない、その場で焼きあがったパンを味わうことを楽しみに、ここに通っています」

「友達に連れられてはじめて来てから、土屋さんのパンのファンになって、それから2ヶ月に一回くらい通っています。さっぱりしていておもしろい土屋先生と、教室の雰囲気も好きなんです」

そう話すのは、常連さんの中井さんと松野さん。ここに通う人たちにとって、パン作りのスキルを得ることだけが目的ではないようです。

土屋パン教室

「美味しいパンをたくさん持って帰ると、お家で待っていたご家族も喜んでくれて、余ったパンを持ち寄り会なんかに持っていけばお友達も喜んでくれます。そうすると、生徒さんご自身はもちろん、その家族や友達も、ここへ通うことを楽しみにしてくれるんですよ」と土屋さん。

自分だけでなく、家族も友達もうれしい。土屋パン教室はそんなふうに、30年以上も愛され続けてきたのですね。

豊かな食卓の作り方

10年ほど前、慌ただしく教室の準備に追われていたとき、突然難病を発症して倒れてしまった土屋さん。そこから回復して以来、「無理なく手間ひまをかける」ことをさらに意識するようになったといいます。

土屋パン教室

「手間ひまをかける」のに大切なのは、まずは食材を知ること。土屋パン教室のイタリアンは、まずは調味の要になる塩とオリーブオイルの奥深さを知り、体験するところから始まります。

土屋パン教室

そのうちの一つが、イタリアの自然食材ブランド「アサクラ」の朝倉玲子さんをお招きする人気の料理教室。イタリアの畑でオリーブ栽培を手がける生産者でもある朝倉さんが語るオリーブオイルの裏話を聞きながら、本場のイタリア料理のレシピを学べる、まさに畑から食卓にのぼるまでのストーリーを体感できる教室です。

土屋パン教室

この日は、イタリア人流のムール貝の下処理や、リゾットに使うお米の美味しい茹で方、ごろっと野菜を均等に煮込むポトフや、塩とオリーブオイルだけで美味しく味付けするサラダの作り方など。

ただレシピをなぞるのではなく、自分のものにする。そのための方法を知ることができるのも、料理教室の魅力です。

土屋パン教室

五感を使って本物を味わう

「調理の過程を見る、音を聞く、匂いをかぐ、実際に触れてみる、味わう。レシピや食材だけでなく、使うお鍋によっても料理の味は変わります。そういう、言葉にすればきりがないようなことを“体験”できるのが料理教室のいいところ。その“体験”があるだけで、自分の料理のしかたも格段に変わってくるんです」

五感を使う体験。それは小さな子どものうちから始まっています。

土屋パン教室

「私もそうでしたが、子どもが小さい頃は時間もお金もありませんでした。でも、うまく手間ひまをかけて、週1回、月1回でも、子どもに“本物”に触れてもらうことも大切だと感じています。たとえば、松茸をたくさん買うことはできなくても、年に一本だけ購入すれば、子どもは人生の中で松茸を味わう体験ができますよね。親子で土屋パン教室に来ることが、そんな体験の一助になれたらうれしいです」

土屋パン教室

“想像しているだけでなく、実際に体験したことのほうが、人生に深みを持たせてくれる”
土屋パン教室で、そんな生き方の基本を学んだような気がします。


Written by加藤 優/Yu Kato

「国立人」編集・ライター。「暮らす場所、はたらく場所から10分圏内が、自分のまちになっていく」という編集指針のもと、地域で仕事をしている。 Twitter

募集終了

募集主 土屋パン教室
URL https://bread-mamma.com/
勤務地

東京都国立市東1-20-58

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042-574-8064